ちんたら村 村長のブログ

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ちんたらひっち旅#3 剣山へ誘われ

 

朝5時

ネットカフェのパソコンで徳島観光

と調べると様々な情報が目に入る

 

旅の予定では明日「自給自足の生活をしている家族の元に行く」というものしか、なかったため今日一日は丸々時間があった。

 

さてさてどうしたものか、、、

 

実は僕、こういう観光情報を元にした旅行は、苦手なのでした。なぜかというと、その場所に行って綺麗な景色を見て、それっぽいものを食べるだけじゃ満足できない性格なのである。

 

もっと歴史に対する知見があれば、観光も楽しくなるのかな?

 

しかし、そんな僕でも1つ目にとびついたのが剣山。

古代史のロマンと題されたウェブサイトを見つけ、少し前情報を入れてみると、、、

空海伊勢神宮高野山、剣山と旅をしたとされていた。四国は昔、四方の海流によって足を踏み入れることのできない地とされていて、神々の住む地という信仰があり、その中でも剣山は標高の高さから隠れた霊峰となっていたそうです。

 

こんな前情報を入れたら登るしかない!

 

朝6時、僕のテンションはもう山頂に立ち四国全土を見渡しているかのような爽快感に包まれながら、フリーサービスのネットカフェの朝ごはんを食べたのであった。

 

ざっくり登り口を調べ、早速JR線に乗り込んだ。

ヒッチハイクにしなかったのは、持っていた小説「居眠り磐音」を読みながら路面電車に揺られたかったから。

臨機応変に移動の仕方を選べるのも、

自由な旅の醍醐味ですね。

 

30分ほど路面電車に揺られていると、車掌さんがチケットに判子を押しに来た。

小説に集中していた僕は慌てて財布からチケットを渡すと、「どこに行くんですか?」と聞かれる。

「阿波いけだ?いけど?みたいな所です」と答えると

「お客さん逆ですよ笑!すぐ降りて反対の電車に乗ってください笑!」と言われてしまう。

あぁ小説がいいところだったのに、、、

 

しかし、戻りの電車が来るまで30分ほど時間があった。

しめしめ、ちょうどいい感じに読み切れるぞ。

とプラスに考え小説を楽しんだ。

 

朝7時に出発したはずが9時過ぎに再び徳島駅に戻ってくるという体たらく差におかしくなっていたが徳島駅につき、駅員さんに

剣山の方に行きたいんですけど、、、

と尋ねると、「あー9時のはいまさっき行っちゃったから10時40分のやつに乗ってください。」と言われ、さらに一時間半近く出発が遅れた。

 

しかたなく、駅を一回出て、もう一度電車の中を楽しむべく、おみやげ屋さんで徳島県産の甘酒、ビール、ちくわなどつまみを買って時間を潰し、今度こそ剣山方面行きの電車に乗り込んだ。

 

車窓から見える徳島の山は普段見慣れた千葉の山よりもはるかに高く、畏敬の念が自然と山に向けられた。それを見ながらの甘酒うまかった

 

貞光駅、ついに登山口に向かう駅に到着。

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しかしまたしても、登山口に向かうバスは二時間後に出発となっていた。

バスの停留所を見てみると、温泉宿がいくつかあったので

よし、そこにヒッチハイクで乗せてってもらい、バスが来るまでの時間でひとっ風呂浴びようプランでいこう。と能天気に考えついた案を実行に移した。

 

駅をでてその温泉宿方面に歩きながら、

宿の名前を書いたスケッチブックを持って歩いていた。20分ほど歩いていると、前に1台の車が止まってくれた。

 

乗り込むと「途中まででいいかい?」と買い物帰りの夫婦が挨拶してくれた。もちろん!ありがとうございます!と挨拶を返して乗せてもらうことに、、、

 

山道に入り川が流れる谷の道路を登っていく、今まで見たことのない壮大な自然がそこにはあった。山も川もスケールが違う。自然に感嘆しながら、運転手のおとうさんと話しながら、なんだかんだ「途中までで、、、」という話だったが、温泉宿まで乗せて頂いた。今思うと下ろすタイミングがなかったんだろうなぁ、、、

 

400円の日帰り温泉に入り、壮大な川を見ながらテラスで涼んでいると雨が降ってきた。ツバメが飛び回り、冷えた風が体を冷やしてくる中地元の人が剣山について話しているのが耳に入ってきた。「結構つらいですか?剣山。」と話に混ざって情報収集。地元の人にも愛されてる山だとわかった。

 

湯から上がりバスが来るまでの間は休憩室で、徳島駅で買ったビールとちくわを堪能し、一眠り、自由気ままな旅を噛み締めた。

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そしていよいよバスが来て登山口に向かう。途中バスの乗り継ぎをした際には、ちょうど最期の1席も空いてなかったようだったので、運転手さんが見かねて助手席に乗せてくれた。

登山道までの道を助手席でパノラマの景色を見れることに興奮しながら待ち焦がれた登山口に向かった。

 

そしてようやく登山口に到着。腹ごしらえにとそばを食べトイレを済まし、神社でお参りをしたら早速登山へ。

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久しぶりの登山は思ったよりも足腰にきてしまい、開始30分で「きっちー!!」と言いながら登っていた。ロープウェイという手段もあったが、機械に運んでもらって山に登るというのがその時は間抜けに思えてしまって歩きを選んだが、きっちー!!という自分の上をロープウェイで登っていく人からみると僕の方が間抜けに思われていたんだろう。

 

しかし、音楽をイヤホンから流して歌いながら登りだすとこれが不思議なことに疲れより楽しさの方が優ってくる。足腰の疲れは感じなくなり、爽快感で満たされた。途中人の気配を感じて歌うのをストップすると、急にどこからか声をかけられた。

 

「お兄ちゃんラーメン食わない??」

 

僕は「登山中にそんなことあります??」と笑って返事をした。

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「作りすぎてしまって笑 食べて欲しいねん。」

とのことで談笑しながら山頂から降りてきたらしいお兄さん2人とラーメンを食べた。

今日宿を決めてなくて山頂で野宿を考えてることを話すと、心配してくださったのか別れ際に

おにぎりと羊羹を2つくれた。

 

そんなこんなでルンルン気分でまた歌いながら山を登る。

8合目付近に到着するとオレンジ色の三角が見えてきた。カップルがテントを張っている。どうやらここで寝泊まりするようだ。

いやーいいこと考えるなぁーと見てると、手を振って返してくれた。

僕もいつか登山キャンプしよう

 

だんだんと標高が高くなり雲よりも上に来ると景色が一変、雲の海の上に自分がいた。

登山はやはりいい。富士山に三年連続登っていたが、今年も必ず登ろうと思う。

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山頂に着くとヒュッテが見えてきた。休憩がてら入ってみると素泊まり5500円の文字が

その値段なら、、、と空きを尋ねると最期の1つが空いていた。予約をしてないから無理かなーとか思っていたが幸運なことにお風呂もトイレも寝床も頂けた。

漫画も置いてあって、ながらく読みたいなと思っていた宇宙兄弟がそこにあって、山の頂上で宇宙兄弟を読むのも悪くないやんけと思いながら夕日が見えるまで、風呂で体を温め、シェラハの中で宇宙兄弟を読んでいた。

 

夕日もいうことなしに綺麗で

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明日の朝はを楽しみにしつつ就寝をした。

 

明日はいよいよ楽しみにしてた。自給自足一家の元へ。

自分の人生を変える出会いがあることなど、

露知らず、陽気にシェラフの中でぬくぬくと夜を明かすのであった。