ちんたら村 村長のブログ

村づくりのあらゆるプロセスを共有します

SDGs時代のビジネスについて

 

どうもこんにちは。
ちんたらむらの和志です。

 

村での共同生活が始まって1ヶ月が立ちました。
村民四人、犬一匹、猫二匹での暮らしはとても賑やかで毎日が飛ぶように過ぎていきます。
村の規模はこれくらいが今のキャパシティーではありますが、、、
早くもう一環境を整えて村民が八人程度暮らせるようにしていきたいなと考えているものの来週は鶏が6羽、村にやってきます。

 

人より動物が多い笑

6月には人間の環境を整えて村民が八人暮らす。

というのを目標にしていきたいです。

 

 

さてさて村の近況はこの程度にして、、、

今回のブログのテーマは「SDGs時代のビジネスについて」です。

 

このような記事をあげるには理由があります。

 

それは、、、日本の自然の循環を壊す恐れがある事業の話を身近なところで聞きました。

 

どんな仕組みかと言いますと

 

一言で表すと

ジビエの海外輸入」です。

 

なぜ、「ジビエの海外輸入」が日本の自然の循環を壊すことに繋がるのか

これは僕の考えなので、この文章を読んで「それは違う」や「勘違いも甚だしい」ということであればぜひコメントいただきたいです。

 

 

僕が住む千葉県富津市豊岡という地域には猪や鹿、猿などが大量に生息しています。

作物被害が膨大で住んでいる人たちは困っています。

 

なので昔から猟師さんが人間の暮らしを守るために駆除をし、土に返していました。

 

しかし、昨今は

猟師の高齢化が進み、人口の減少も合間って猪、鹿は数を増やし、

人間が自分たちの住処を守るために

自らの敷地を檻で囲み暮らしているほどです。

 

そこに目をつけたのが某警備会社。

 

猟師さんたちの仕事である。

仕留める

土に返す

ということを肩代わりして

ジビエの肉を食品に加工し、ネット販売を始めるという内容です。

 

 

一見、表面だけを見ると

猟師さんは今までと同じように罠をかけて捕まえれば

捕まえた分だけお金をもらえて

仕留める手間

土に埋める手間

事務手続きをする手間

が省けるので高齢になった猟師さんたちは大喜びです。

 

そして住んでいる住民たちも

害獣の駆除効率が上がって害が減り、こちらも大助かりのように見えます。

 

 

しかし、僕はそうではないと考えています。

 

獣を捕まえて他所で売る

ということは、その土地の土に帰るはずだった有機エネルギーはどこに行くのでしょうか?

 

今までその地域で循環していたエネルギーがよそに行ってしまって

戻ってくるのでしょうか???

 

おそらく3年、5年という短い期間では、獣害が減った、

捕獲頭数が上がったなどと、メリットが挙げられると思いますが、、、

 

10年後20年後、海外に輸出していった先にその山がどうなって行くのか

考えているのでしょうか?

 

 

大きな会社が大量の鹿や猪の体をよそに売り飛ばして

山に残るのは、痩せた土地だけです。

 

そこに循環はありません。

 

ただでさえ気候変動で短期集中型の雨のせいで手入れされていない山は

土が痩せ、土砂が流れ、栄養がたまらず、岩肌が見えるほどに痩せてしまっている。

 

その土地から大型哺乳類の存在が抜けていくと

 

山の資産は少なくなっていきます。

 

 

農業のように、肥料を入れて野菜を作り、また肥料を補填する

と言ったことはできません。

 

 

それに

今までずっと川や山の恵みを生かして暮らしてきた

地元の方々の暮らしは守られるのでしょうか??

 

 

 

バブル時代の「その時に甘い汁を吸いたいがために後世に莫大なツケを払わせる」といったような、この悪循環をまだ続けようとしている人がいることに僕は悲しいです。

 

 

限界集落からこれ以上搾取しないでほしい

 

心からそう思います。

 

ただでさえ、人が減り、山の手入れが行き届かず、都会からの産業廃棄物が流され、

都会からの製品が流入し、地元の製品が淘汰されている

 

そこに残っている貴重な文化すらも奪われようとしています。

 

SDGsとは大きな会社や都市の持続可能性だけを考えるものではないはずです。

 

 

僕は日本が世界でも通用する持続可能で豊かな社会を作るためにできることは

 

「日本の里山文化」や「武士道精神」を海外に発信することだと信じています。

 

昔の人々が丁寧に暮らす中で培ってきた自然と共存する知恵や技術を

 

周りの人、もの、自然に対してフェアであり誇りを持ちながら生きる精神を

 

それが日本にしかできない、これからのSDGs時代を生き抜く答えだと感じています。

今、様々な企業がそれを体現するためにあらゆる努力をする中

 

どうして地方の自然の循環を壊すビジネスを起こそうとしているのか甚だ疑問です。

 

廃れゆく地域は搾取されればいいのでしょうか??

 

そもそも搾取していることに気づけないのでしょうか?

 

 

自然とともに暮らしてきた日本人が

自然から切り離され、効率や資本といった文化に飲み込まれ

ついには自らの土地を痩せさせるという行為に走る根本的な原因は

教育にあります。

 

 

ちんたらむらでは、自給自足を心がけています。

なぜなら、世界中の食料の流通がこの「循環を壊す文化」があるからです。

フェアではない取引がたくさん行われています。

食の安全性の観点や

食料難の時代を見据えてこれからも村では食の自給自足を進めていきますが、、、

 

SDGs時代のビジネスをするにおいて

自然の循環に「暮らしながら関わる経験」

そしてそこから学べる環境が必要だと思います。

 

世の中の流れはどんどん自然の営みからは離れていきますが、、、

 

もうすでに大人になった方も

子どもと一緒に学べるような

そんな教育の場所が必要です。

 

だからちんたらむらを作ります。

 

幸い、村付近の猟師さん方は

この会社からの提案は受けないそうです。

 

世の中にはこのような構図のビジネスがいたるところにあるのだと思います。

 

せめてこの地域だけでも健全な循環を作り、次世代の人や自然を育てられる場所にしていきたいと思います。