ちんたら被災生活 台風だって涙を流してpart3
9月10日 午前7時半
起きて真っ先に向かうは電波の届くところへ
寝ぼけ眼で車を走らせていると
倒木のために片側車線になっている場所で
木にぶつかりかける
危ない危ない
電波の入るところに到着すると
スマホがブーブー鳴り出した。受信したらしい
近くで停車
画面を見ると電話連絡の件数がすごい
借金取りに追われてるばりの連絡数にビビる中
「情報をください」と職場から連絡がきていた。
僕自身も情報が欲しいし
僕も話せることならさっさとこんな事態は早く共有したい気持ちで一杯だった。
今回のような災害時のスマホでの情報共有の難しさは
●自宅から電波の入るところまで遠い
●電波を受け取ろうとスマホの電池がすぐに消耗すること
●充電ができないこと
●電波が入っても状態が悪いこと
これが今回の災害対応の初動が遅れたことに関係していそうである。
職場とも連絡が無事に取れ、救援物資を午後には届けてくれるとのことで
少し安心したところで、今回の「ベスト助かったでしょう」をあげたいものと出会う
上総湊で唯一動いていた自販機である。
暑い中、そして災害時に
目の前に飲み物があるのに飲めない
お金もあるのに飲めない
しかし、この自販機を見つけた時は目を疑いました。
「販売中」の文字が光っていたのである。
ま、ま、ま、まさか、、、!
100円を入れてみると100円と表示が出た。
災害から一夜明けた朝
早速ご馳走にありつけたのである。
カルピスソーダ500ml
あの味は忘れません。
連絡を無事終えて部落に帰ると
また新たな被害を発見
なんとご近所の猿園(天然記念物の猿を保護してる施設)の檻が全て壊れているのであった。
軽トラで戻ると僕を飼育員だと勘違いして
餌をもらえると思って大量の猿がよってきた。
中には赤ちゃん猿を抱いた母猿もいました。
「お前達も大変だなぁ」と普段は畑の作物を荒らす猿どもには容赦をしない僕ですが
この時ばかりはお互い同じ状況に同情をした。
しかし、すぐに田んぼの稲を食おうとしてる別の猿の群れを発見し奇声をあげて追っ払う始末
その後もかんかん照りの中で飛ばされたものの回収作業をしていて
流石の汗と身体の臭さ、痒さにギブアップ
この日の気温は32度だった。
近くの川に水浴びに行き
川で身体を洗っていると今の自分の状況が面白くなってきた。
どんな時も心のゆとりは大事
川の心地よさと風の気持ちよさに心が癒された瞬間であった。
午後過ぎ、職場からの救援物資が届き
食料、水の確保
また現場の状況を説明できたこと
責任者が現場に来てくれたことで肩の荷が降りた。
夜は発電機を動かして明かりも僅かだが灯り
救援物資として届いたビールを頂いて
被災中だが気の休まる晩酌となった。