夜明け
今日で三週間の入院生活が終わる。
退院日が近づくとどこか不安な気持ちになっていたここ数日
今も不安は残る。
足を止めることの怖さってやつはそんなに生易しいものではなく
腹のなかをねっとりと絡みついてくるように居座っている。
早朝のうんこを我慢しているせいもあるかもしれない。
そんなアホなことを考えていると8割型うんこのせいなのかもしれないと思うくらいに
少し気が晴れた。
不安は不思議なもので
消え去る時は早い。自分でも気付かないきっかけで不安が消えていることもある。
この三週間も不安はひょっこり顔を出したと思ったら
いつの間にか希望に変わっていた。
しかし、その希望もすぐに消え、不安に変わる。そんな繰り返し
病室の中で過ごす時間はまさしく夜そのものだった。
村で過ごしている時は動物たちの世話があるので、自分だけの世界ではなかった。
しかし、病室で過ごす時間は夜中に一人佇んでいる。そんな時間だった。
僕はこういう時間が自分の信念が問われる時間だと思っている。
自分が生きていく中で縋り付いているもの
信じていたものが信じれなくなると僕は脆い
入院中も自分の信じていることは間違っていない。多少のずれは様々なところにあるかもしれないが、方角はあっているはずだ。
そんなことを幾度となく考えた。
夜が明ける。
どこに歩みを進めよう。
こういうことは一人で考えるとろくなことにならない。
身近な人たちに相談しながら決めようかな。
村には火が灯っている。
大事に大事に育んでいけば、きっとみんなあったまれる。
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