ちんたら村の戦略
ここ数日自然保育や村のような環境がなぜ子どもにとって良いのかというテーマで
研究論文を読みあさっていたのですが、どこを見ても「良い」と書いてあるのです。
しかし、こんな講演の資料を見つけた。
この中でなぜ「森のようちえん」が普及しないのかについて考察がされていた。
やはり一番の原因は助成金が得られないこと、行政からの理解が得られないことのようです。
私はこの国からの認可が受けられない要因に「小学校への接続」の課題があると考えています。
私が以前保育所に勤めていた時に「一人一人のその子らしく」を大切に保育をするこども園でしたが、そういった保育をする園に対して小学校側は「椅子に座れるように育ててください。「先生に呼ばれたら返事をするようにしつけてください」「45分じっとしていられるように教育してください」と言った要望を幼児教育現場に出していました。
個性を持って自分で考えられる児童が小学校に増えると
今の小学校は困るということです。
(過密なカリキュラムの上にアクティブラーニングを押し付けられ、家庭や地域での教育力が低下している昨今にその課題を全部小学校に丸投げされているわけでありますから、どこが悪いのかの原因は社会にあると考えています。
決して小学校を否定しているわけではありません。)
さてこのような課題に対して
ちんたら村は国からの助成金ではなく自分たちの経営で保育と教育の現場を循環させていく事を目標にしています。
大元を辿れば今の教育も国の中で民間が稼ぎ、税金を収めて、国が豊かになり、子どもの教育も豊かになるという仕組みでありますから、ちんたら村がやろうとしている事と同じではありますが、、、(日本はこれからも長く不景気が続きます)
村で稼ぐと言っても容易に実現できることではありません。
しかし、私が目をつけたのは「暮らしの豊かさ」=「幸福度」という視点です。
これまで村では人がお金をかけずに「幸せを感じる」瞬間を増やせる場作りを進めてまいりました。
自給自足のシステムをシェアすること
ローカルの暖かさをシェアすること
この部分に関しましてはありがたいことに今の環境は幸せが生み出されているなぁと感じています。
少額で幸せを感じる文化というセーフティーネットを作ったわけであります。
村が今「高齢者層に愛されるyoutubeチャンネル」という気の長くなるような継続を視野に入れた動画配信を行えているのもこのセーフティーネットがあるからです。
もし、自分の仕事が失敗しても
暖かな人間関係とお金を出して食う飯よりもうまい食事が保証されているわけです。
ちんたら村は「大人も子どももちんたらできる場所」
そのための仕組みを模索しながら村づくりを行なっています。
3年で結果を出すという視点ではなくもっと長いスパンで結果を出すという戦略を練れるので一般的な新規事業よりも若者が挑戦しやすい環境を作りたいと考えています。
村での暮らしを自分たちで豊かにすればするほど
村に来るお客さんに提供できる価値が上がります。
また、子どもたちに提供できる価値も上がります。
先日仲間の一人が
「東京でカフェをやりたいんだ」と打ち明けてくれました。
僕はこの話を聞いた時にめちゃくちゃ嬉しかった。「なにそれ!めっちゃちんたらしてるやんけ!」と
そのカフェの内容を聞くとこのコロナの環境を踏まえた上で「面白い事業」だと感じました。
そしてそれが村づくりにも良い影響を与えてくれる。
売り手よし買い手よし世間よしです。
それに加えて現代では
作り手よし、地域よし(環境)、未来よしを踏まえた「六方よし」という考えがあります。
この環境は一朝一夕には作れません。ちんたらちんたら過ごせばいいのです。
「ただ牛のように図々しく歩みを進めればいいのです」
という暮らしとキャリア実践がちんたら村の戦略です。